NIKONのAF-S NIKKOR 300mm f4/E PF ED VRは、移相フレネルレンズを用いることで、鏡胴の小型化に成功しています。
構想自体はかなり前から目にしてましたが、製品化されるまでは結構長い時間かかったようです。
2009/11/30 光と色と フレネルレンズの原理と仕組み
◆移相フレネルレンズの仕組み
移相フレネルレンズは、同心円状にギザギザに成型されたレンズです。
断面を見ると、ギザギザです。とはいえ、実際はミクロンレベルの凹凸です。
各々の場所の入射光に応じて最適な角度で研磨されています。つまり1枚のレンズでありながら複数枚のプリズムレンズで構成されたように補正ができます。
気が遠くなるほどの精密さです。
これを実現するために、金型でモールドしたギザギザ移相フレネルレンズを光学樹脂で成らすように圧着して作成しています。
いちいち1つ1つ研磨で製造しているわけではないので、原型さえあれば、この優秀なレンズを大量に製造できるというわけです。
◆無理をしている分、描写性能が
複雑な構造をしている分、球面レンズと比べ、強い光源が近くにあると独特のリング状のフレアが出てしまいます。いわゆるギザギザなので磨りガラスのような。同心円状なので、リング状のフレア。
これにより、ややうるさめのボケ味と、若干コントラストが低下してしまいます。
とはいえデメリットの分、レンズ自体は薄くすることが出来、実際に撮影してみると、そのフレアとやらは再現させることが出来ないほど、高レベルの仕上がりになっているようです。
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元々高コントラストのカリッとした調整だからか、多少構造上の問題は影響しないようです。
とはいえ、個人的には気のせいかやや白い膜がかかったような絵面に感じます。またもう少し柔らかい感じの描写のほうが個人的には好きです。
ニコン AF-S NIKKOR 300mm f4/E PF ED VR|ギザギザ移相フレネルレンズは描写性能を犠牲に小型化 by admin